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《 YAMATO SOUND ALMANAC 1982-II 宇宙戦艦ヤマト ギターが奏でるヤマト・ラプソディ 》

 (1)想人

 アルバム最初の曲が「想人」。この曲は、劇場作品『さらば』の終盤で流れた愁いのある曲。

 冒頭からおよそ1分30秒ほどパーカッションによる軽快なリズムが奏でられ、その後ギターがメロディーを奏で、次にバイオリンが奏で、そして再びギターが奏でるという、ギターとバイオリンとパーカッションの3つのパートにより構成されているアレンジ。

 オリジナルのしっとりとした楽曲を大変気に入っているだけに、このギター・アレンジは、ちょっとした驚き。メロディー自体に愁いさがあるので、あっと驚くようなイメージチェンジではないが、軽快なパーカッションがちょっとした南国のムードを漂わせている。意外性のある組み合わせ。

 (2)ヤマト再会

 「ギターが奏でるヤマト・ラプソディ」の全曲レビュー第1弾はこの曲「ヤマト再会」。

 同タイトル曲は、「オリジナルBGMコレクション宇宙戦艦ヤマト 2」の(32)曲目に収録。「BGMコレクション」に収録のものは、哀愁漂う楽曲となっていてトランペットが高らかに主旋律を奏でている。

 「ギターが奏でる〜」の「ヤマト再会」は、出だしには流れるようなストリングスで始まり、次いでギターがメロディーを奏で、途中からトランペットが加わり、ストリングスとギターとトランペットの弦楽器の絡みが、「ヤマト再会」の嬉しさと切なさと懐かしさを遠き日の思い出を思い出すがごとく表現。

 ギターのソロが、トランペットとはまた趣きの異なる甘酸っぱいような心情を表現している。

 (3)ルダ王女

 「III」で登場した女神「ルダ王女のテーマ」のギター・アレンジ。ルダ王女とは、シャルバート星の王女であり、マザー・シャルバートの後継者。ボラー連邦により惑星ファンタムに幽閉されていたが、ヤマトが立ち寄った際に救出。その後王女の護衛にあたったコスモタイガー隊員の揚羽武と惹かれ合うようになる。

 ルダ王女は外見は可憐な少女でありながら、中身は芯の強い女性。信念を貫く強さを持っており、揚羽武と惹かれ合いながらも揚羽の目の前でマザー・シャルバートとなり、最終話ではブラックホール砲に突撃した揚羽の亡骸を抱き上げ、古代に戦いの虚しさを伝えた。

 「ルダ王女のテーマ」は、オリジナルでは外見のイメージに合った可愛らしく可憐なメロディーとなっているが、ギター・アレンジではハワイアンのようなムーディーな大人の女性の雰囲気の演奏となっている。緩やかなメロディーの行き来が心地いい。

 (4)別離

 「新たなる旅立ち」の愛のテーマとも言える「別離」のギター・アレンジ。

 メロディーをギターが奏でており、全体に切なさが漂うメロディーを温かさと切なさの入り混じった演奏で包んでいる。

 艶のある間奏部の展開など、全体的にムードのある響き。控えめな伴奏のストリングスとの絡みがいい雰囲気を出している。

 (5)ヤマト新乗組員のテーマ

 「III」で登場した新乗組員のためのテーマのギター・アレンジ。乗組員のためのテーマは、「1」以来。かつての古代や島らを彷彿とさせる新乗組員のフレッシュさを新たに表現している。

 基本的な楽曲の響きはオリジナルとほぼ同じ。オリジナルでは、メロディーをストリングスや管楽器が勇ましく高らかに奏でているが、当アレンジでは、そのメロディーをギターのみで奏でている。また、リズムが若干オリジナルよりはゆっくりめ。 

 「ヤマト」の音楽に於いてギターは、キャラクターの心情を表現する楽器として重要なスタンスにあり、数々の作品で切なさや悲しみを表現してドラマを盛り上げてきた。そのため、当アルバムでもキャラクターのテーマや別れのテーマが多く奏でられているが、その中にあってこの「ヤマト新乗組員のテーマ」は、少々異色と言える選曲かも知れない。気力に満ちた新乗組員の引き締まった顔が見える演奏かというと、いささか脱力気味。肩の力の抜けた明るめの演奏となっている。シリアスなメロディーの多い「ヤマト」のギター・サウンドにあって珍しく軽妙なメロディーを奏でている一曲。

 (6)好敵手

 デスラーと古代との間に芽生えた奇妙な友情を歌った曲「好敵手」のギター・アレンジ。

 出だしはもちろんトランペットの伸びのある高音から。メロディーをギターが演奏し、阿久悠氏が作詞した歌の世界を真っすぐに蘇らせている。

 トランペットとギター、そしてリズムを取るドラムと渋いベースが、男のロマンと友情をドラマチックに表現している。

 (7)真赤なスカーフ

 「1」のエンディング・テーマの「真赤なスカーフ」を、軽妙なタッチとムーディーな雰囲気でまとめたアレンジ。

 オリジナルは重みのある演奏となっているが、このアレンジは、オリジナルとは反対の軽妙さが特徴。ギターが弾むように踊るように軽やかにメロディーを奏でており、パーカッションでよく使用される打楽器のボンゴの一定の響きが心地よいリズムを刻んでいる。また中盤にはサックスがメロディーを奏でており、大人の雰囲気を盛り上げている。思わずフロアーで踊りだしたくなるようなムーディーな仕上がりとなっている。

 (8)アルフォン少尉

 「永遠に」で登場した暗黒星団帝国の地球侵略部隊の将校、「アルフォン少尉のテーマ」のギター・アレンジ。

 アルフォン少尉といえば、物腰の柔らかい優雅な仕草が印象的であったが、その実は、肉体は機械であり、健全な体を求めて地球侵略に来た敵の将校であった。ユキは、アルフォン少尉の想いを受け入れることはできなかったが、最期には息絶えるアルフォン少尉の頭を膝の上に抱いて看取った。

 ギター・アレンジの当楽曲は、優雅な大人の雰囲気をまとうアルフォン少尉のムードをよく表現しており、メロディーを奏でるギターが大人の情感を豊かに表現している。軽快な響きの中にも潤いが感じられ、ムーディーな一曲。

 (9)古代とスターシャ

 作品「新たなる旅立ち」で古代守とスターシャのテーマとなった「放浪のイスカンダル -守とスターシャ-」のギター・アレンジ。

 出だしは、守とスターシャの悲しい境遇を表すかのように静かな物悲しい演奏で始まり、次第にパーカッションの軽いリズムと軽やかなストリングスの伴奏が、ギターと絡まって軽妙な演奏へと変化していく。

 作品のBGMとは別にしても、色っぽく大人の雰囲気の漂うメロディーであるので、ギターの演奏とよく合っている。

 (10)大いなる愛

 映画「さらば」の終盤を盛り上げた名曲「大いなる愛」のギター・アレンジ。

 「ヤマト」の音楽の中で”愛のテーマ”を一つ挙げるとしたら真っ先にこの曲が思い浮かぶほどの名曲であるためか、この曲にはいくつものアレンジが存在していて、それらの中には「さらば」の涙のラストとは結びつかないような軽妙かつ明るいものもあるが、当ギター・アレンジは、演奏に明るさはあるものの、メロディーが内包している心の中の暖かな愛の温もりといったものが柔らかに表現されており、優しい雰囲気が伝わるアレンジと演奏になっているように思う。後半からギターと掛け合うトランペットがいい味を出している。

 (11)悲恋

 『永遠に』で、古代たちの乗った高速連絡艇が発進する際、敵の銃弾がユキの肩を撃ち抜き、ユキの身体が古代の手をすり抜けて地上へと落下してしまうシーンを印象づけた曲のアレンジ。

 曲の冒頭と終わりをギターソロが切々とメロディーを奏でており、中間には、オリジナルの演奏と同じストリングスとブラスによる演奏が挟み込まれている。

 ギターソロが作品のドラマを盛り上げた演奏の前後を飾っていることにより、記憶の中で過ぎし日の辛く悲しい思い出を振り返っているかのような哀愁を漂わせている。

 (12)サーシャ(澪)

 「永遠に」のヒロインこと女神「サーシャ(澪)のテーマ」のギター・アレンジ。

 「サーシャ(澪)のテーマ」は、「永遠に」の音楽集やBGM集でも度々奏でられている。作品に於けるサーシャ(澪)の存在が如何に重要であったかの証しとなっているが、年齢が17歳という設定のためか、女神というよりもヒロインとしての位置づけにポイントが置かれてあり、そのため楽曲も17歳の少女らしいかわいらしいメロディーとなっている。

 ギター・アレンジは、しっとりとした雰囲気となっており、短い青春を遂げたサーシャ(澪)の憂いさが表現されているかのよう。

 ご協力:六連星 様

 ボーナストラック(13)宇宙戦艦ヤマト'83(演奏:羽田健太郎)

 ボーナストラック(14)宇宙戦艦ヤマト'83(演奏:宮川 泰)

 ボーナストラック(15)真赤なスカーフ(演奏:羽田健太郎)

 ボーナストラック(16)ヤマトより愛をこめて(演奏:宮川 泰)

 ボーナストラック(17)ヤマト!!新たなる旅立ち(演奏:羽田健太郎)

 ボーナストラック(18)好敵手(演奏:宮川 泰)

 ボーナストラック(19)星のペンダント(演奏:羽田健太郎)

 ボーナストラック(20)銀河伝説(演奏:羽田健太郎)

 ボーナストラック(21)愛の生命(演奏:羽田健太郎)

 ボーナストラック(22)愛よその日まで(演奏:羽田健太郎)

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