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《 YAMATO SOUND ALMANAC 1982-IV 宇宙戦艦ヤマト バイオリンが奏でるヤマト・ラプソディ 》

 (1)ヤマトのテーマ

 ピアノ、ギター、バイオリンの3つの楽器のそれぞれの「奏でるシリーズ」から「バイオリンが奏でるヤマト・ラプソディ」。演奏は、ヤマト音楽でバイオリンのソロと云えばこの人、徳永二男氏。

 アルバムの顔となる(1)曲目は、王道となるこの曲「ヤマトのテーマ」。トップバッターだけに、派手なスタートかと思いきや、意外やしんみりとした雰囲気で幕開け。初っぱなからドラマ性のある音色が広がり、脳裏に数々の映像が走馬灯のごとく蘇るという、思わぬ泣かせ技を駆使した音によるドラマが展開されている。

 5分04秒にも及ぶ演奏タイムの中で、バイオリンの音色が時に高く時に低く、そして感情豊かに奏でられている。アレンジの幅の広さと奥行きの深さに加え、徳永氏の弾くバイオリンの音色が実に情感豊か。サポートしているピアノとギターの旋律も良く、鉄の塊であるヤマトという艦に魂が込められているのが感じられる素晴らしい演奏。終盤のソロが聞き所。

 (2)シャルバート星

 「III」で登場した美しい星「シャルバート星のテーマ」のバイオリン・アレンジ。シャルバート星は、かつて高度な科学力と文明力で宇宙に君臨していた星で、信仰の厚いシャルバート信者は、女神であるマザー・シャルバートを崇拝している。

 出だしからキラキラとした感じの音色で始まり、宇宙のきらめき感が表現されており、次のフレーズからバイオリンによる「シャルバート星のテーマ」が優雅に奏でられる。オリジナルでは、メロディーをスキャットによって奏でていたが、当アレンジでは人の声に最も近いとされる楽器、バイオリンがメロディーを奏でていることにより、より一層の優雅さとシャルバート星の持つ美しさが表情豊かに表現されている。

 (3)ミオ(澪)

 「永遠に」のヒロイン、「ミオ(澪)のテーマ」のバイオリン・アレンジ。

 「ミオ(澪)のテーマ」は、「永遠に」の音楽集でもいくつかのアレンジが施され、様々な表情を聞かせてくれているので、バイオリン・アレンジと言っても特別な目新しさといったものは感じられないものの、音楽集よりは幾分大人びた雰囲気の表現となっている。

 メインのバイオリンの他にギターやピアノ、ハープなどといった弦楽器がそれぞれにメロディーを奏で、曲の雰囲気を盛り上げている。

 (4)雪の最期

 オリジナルの楽曲が「音楽集」や「BGM集」にも収録されていないタイトルが、何気なく収録されているのもこういった企画アルバムの醍醐味。

 バイオリンの切ない音色が「雪の最期」を美しく彩っており、ギターの調べがまるで古代の心境を表現しているかのよう。バイオリンとギターの演奏をピアノの伴奏がもり立てており、美しくも切ない悲しみの会話といった雰囲気の演奏となっている。

 (5)別離

 「新たなる旅立ち」の作品全体のイメージを表現しているともいえる物悲しいメロディーが美しい曲「別離」のバイオリン・アレンジ。

 情感を揺さぶるバイオリンの音色が切なく響き渡るドラマチックなアレンジとなっていて、スターシャの愛と別れがメロディーの中で描かれてあり、心情を表すかのようなバイオリンが切々と響いている。

 この曲は、近年「復活篇」に於いても古代進と雪のテーマとして使用され、「新たなる旅立ち」と同じく「復活篇」の作品イメージを担った。

 (6)ボラー連邦

 「III」で登場したガルマン・ガミラスの敵対国家である「ボラー連邦のテーマ」のバイオリン・アレンジ・バージョン。

 オリジナルの楽曲がそもそも民族音楽を思わせるメロディーとなっているので、バイオリンのアレンジとなっても曲自体のイメージは同じ。「III」の音楽集には、ギター・ソロ・バージョンが収録されてあり、その物悲しい旋律と雰囲気がピッタリであったので、バイオリンは果たして曲のイメージと合っているだろうかと思いながら聞いてみたら、さすがバイオリンもギターと同じく弦楽器であるためか、違和感なく優雅な雰囲気の「ボラー連邦のテーマ」を耳に優しく聞くことができた。やや軽快なリズムが特長。

 (7)愛し合う二人

 「永遠に」で離れ離れになる古代と雪の愛を切なく物悲しく表現している曲のバイオリン・アレンジ。オリジナル楽曲は、「音楽集 part 1」に収録。

 作中ではこの曲は、戦火の中、有人機基地で抱擁する古代と雪のシーンのBGMとして流れた。そのため、束の間互いの温もりを感じ合う二人の切なさといったものが表現されていたが、バイオリン・アレンジでは、そういう想いをも包括した大人の愛の嬉しさ憂いさ悲しさといったものを優雅な演奏で奏でている。

 美しいメロディーを奏でながら、バイオリンが感情の振れ幅を豊かに表現している。心に染み入る響き。

 (8)星に想うスターシャ 〜スターシャ

 「ヤマト・ザ・ベスト II」に収録の「星に想うスターシャ」のバイオリン・アレンジ…というか、インストゥルメンタル・バージョンという趣きのアレンジ。

 ピアノとバイオリンが交互にメロディーを奏で、そして交互に伴奏を担っているので、全体として優雅で柔らかな印象の演奏となっている。

 スターシャをイメージした曲は、美しいメロディーが多く、この曲もまたスターシャの憂いある美しさを表現している。

 (9)沖田の死

 オリジナルメロディーは、「オリジナルBGM集 PART 1」収録(7)曲目の「悲しみ」。イスカンダルの旅の途中で起きた様々な悲しみのドラマのBGMを、「沖田の死」バージョンとしてアレンジしている。

 オリジナルの「悲しみ」は、ストリングスのみの演奏となっており、バイオリンの高音の切々とした音色が「悲しみ」の感情を表現している。アレンジされた「沖田の死」は、寂しげなギターの音色から始まり、ピアノの伴奏を従えてバイオリンのソロがメロディーをゆっくりと奏でている。途中でピアノにメロディーを譲り、バイオリンは控えめな伴奏で場をキープ。再びバイオリンがメインとなり、その次の場ではギター、そしてまたその次の場ではピアノと、メインの座を行きつ戻りつしながら、寂しくも美しい曲をたっぷりと演奏している。

 (10)想人

 劇場作品「さらば」音楽集収録の「想人」のバイオリン・アレンジ。タイトルの読みは「おもいで」。

 この曲は、初めて「さらば」を見た時に一発で惚れ込み、それ以来ずっとずっと私の中のヤマト音楽のベースとなっている大変重要な曲。曲だけを聞いているとアニメの音楽とは思えないほどの色気と美しい憂いさに満ちている。こういう曲を「さらば」という作品のために作り出して下さった宮川先生に大感謝。「想人」というタイトルも良い響き。

 オリジナルのメロディーが切なさと愛しさに満ち満ちているため、そのメロディーをバイオリンが切々と奏でているだけで涙腺が緩むほどの美しさ。中盤にギターによるメロディーの演奏を挟み、ピアノとバイオリンの掛け合いを経て、バイオリンのメインへとシフトしている。ラストのバイオリンのソロが聞き所。

 ご協力:六連星 様

 ボーナストラック(11)ディンギル星(演奏:羽田健太郎)

 ボーナストラック(12)水の星アクエリアス(演奏:羽田健太郎)

 ボーナストラック(13)神秘の星アクエリアス(演奏:羽田健太郎)

 ボーナストラック(14)ウルクの歴史(演奏:羽田健太郎)

 ボーナストラック(15)ユキ(演奏:羽田健太郎)

 ボーナストラック(16)ファイナルヤマト(演奏:羽田健太郎)

 ボーナストラック(17)アクエリアス・レクイエム(演奏:羽田健太郎)

 ボーナストラック(18)無限に広がる大宇宙(演奏:宮川 泰)

 ボーナストラック(19)宇宙戦艦ヤマト(連弾)(演奏:羽田健太郎)

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