Home >> 宇宙戦艦ヤマト関連コラム > 『2199』主題歌変更に対する反対声明文

《 初心忘るべからず 初志貫徹 》

 初めに、私は『宇宙戦艦ヤマト2199』のオープニング主題歌の変更に反対です。
 『宇宙戦艦ヤマト』の音楽を語るサイトの管理人として、以下、私の思いを語らせて頂きます。

 『宇宙戦艦ヤマト』は、地球を救うためにイスカンダル星へと旅立つ物語として始まりました。かつて日本の威信をかけて出撃した軍艦大和は、敵戦闘機の総攻撃を受けて九州坊ノ崎沖の海に沈みました。そして架空の物語上でのことではありますが、その大和を250数余年の時を経て宇宙戦艦へと甦らせ、苦難の道のりを乗り越えてコスモクリーナーを受け取り、帰還し、地球を救うという大役を果たしました。ここに『宇宙戦艦ヤマト』の「初心」と「初志」があります。

 この『第1作』のヒットを受けて「ヤマト」は続編が作られて行きますが、TVシリーズ作品の主題歌は常に主題歌「宇宙戦艦ヤマト」でした。『2』の内容は、侵略者との戦いでありテレザート星へと向かう物語でした。『III』の内容は、第2の地球探しの旅であり太陽の核融合を抑えるハイドロコスモジェン砲を受け取ったのはシャルバート星でした。また、26年の歳月を経て復活した『復活篇』でさえもヤマトが発進する見せ場のシーンでは、歌手は違いますが主題歌「宇宙戦艦ヤマト」でした。これらの作品は、イスカンダル星とは関係ありません。が、一貫して主題歌はイスカンダル星へと向かう「宇宙戦艦ヤマト」だったのです。そしてそのことをファンは受容して来ました。

 何故か。

 主題歌「宇宙戦艦ヤマト」には、作品の「初心」と「初志」の精神が表れているからです。目的地の星が違っても常にヤマトの旅は「地球を救う 使命を帯びて」であり、重責を担う心の支えは、コスモクリーナーを受け取りに向かったイスカンダル星への旅で得た試練なのです。その後のシリーズ作品に沖田艦長のレリーフが艦長席上部に飾られてあったように、主題歌「宇宙戦艦ヤマト」は、我々ファンに『第1作』の「初心」と「初志」の精神を思い起こさせてくれる必要不可欠な歌なのです。

 主題歌「宇宙戦艦ヤマト」は、誰しもが知る名曲です。歌詞を聞いて物語を知り、作品の精神を感じ、メロディーを聞いて音楽の素晴らしさを知ることのできる素晴らしい名曲です。故・阿久悠氏の書いた歌詞が多くの人々の心を捉え、故・宮川泰氏の作ったメロディーが多くの人々の耳を魅了して来ました。今なお歌い継がれている主題歌「宇宙戦艦ヤマト」は、現代のアニメソングとはその趣きも格も異なる、日本のアニメソング界に燦然と輝く金字塔です。

 『2199』の主題歌をささきいさおさんで新録音して使うと知った時には、『2199』のリメイクへの本気の度合いと、旧作への敬意が感じられて心から嬉しくなりました。そして作品を応援する気持ちにもなりました。旧作の「初心」と「初志」を『2199』でも表現してくれるのだと、ファンの思いを汲み取ったファンの見たいものを作ってくれるのだと。それは”約束”でもあるように感じました。

 そこへシリーズが後半へ入ろうかというこのタイミングでの、まさかの主題歌変更の話。かつてのシリーズでもエンディングテーマはその都度作られて来たものの、主題歌だけは厳然として君臨し続けた「宇宙戦艦ヤマト」を、シリーズ途中で変更しようという前代未聞な話。これは、我々ファンに課せられた試練なのだろうか?

 その考えられている新しい主題歌とは、作品の物語と精神を歌詞で表現し、それを誰しもが覚えやすく作品と直結して思い出せるほどの素晴らしいメロディーで作られているのだろうか?この大変なプレッシャーに応えられる主題歌となっているのだろうか?

 折衷案として前半、後半で主題歌を変えるということになったという話も、無理からぬことであろうとは察しはします。だが、しかし、『2199』の始めに主題歌はささきいさおさんの歌う「宇宙戦艦ヤマト」でと宣言した「初心」と「初志」は、忘れるべきではないと思うし、貫徹すべきであると私は思います。そして、そう望みます。そのようにしようとする姿勢は、『2199』を製作する側としての理想の姿ではないかと私は思うのです。

 主題歌『宇宙戦艦ヤマト』の存在意義は、単なる作品の主題歌として以上の非常に大きなものがあります。ましてや歌詞は、『2199』の描く物語の内容の「宇宙の彼方 イスカンダルへ 運命背負い 今とび立つ」そのものです。それを変える勇気には、後世の評価を真っ向から受けとめる覚悟も必要です。

 私は常日頃から自分の主張を殊更に語ることに対して躊躇いを覚える性格で、このような内容のものをほとんど発信して来ませんでしたが、「今、声を挙げて欲しい」の訴えにいてもたってもいられず、今このタイミングに立ち上がるべしと意を決して急遽このような文章を書きました。

 ここに私は、『宇宙戦艦ヤマト2199』の主題歌は、最後まで「宇宙戦艦ヤマト」であることを切望します。


2012年9月26日 ヤマトミュージック管理人 久保田r