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《 ETERNAL EDITION File No.9 宇宙戦艦ヤマト 完結編 》

 (1)水物語

 冒頭の不思議な音色の笛が特徴。この笛の音は、弥生時代の笛を再現して演奏したもので、音の高低に幅はないものの神妙な気持ちになる深みのある音となっている。

 この曲は『完結編』の音楽として最も初めに触れた曲で、冒頭の笛の音に大きな印象度を覚えた。それまで情報として得ていた『完結編』のイメージが一気に具体的になった瞬間で、『完結編』のスケールの大きさを思い知った瞬間でもあった。その後に続くメロディーもこれまでの「ヤマト」の音楽とは一味も二味も赴きの異なる”古”を感じさせるメロディーで、この曲が『完結編』のイメージを決定付かせている重要な曲であるということは明らか。

 (2)アクエリアスの神話

 前の曲の出だしが”弥生の笛の音”で始まる「完結編」のイントロダクションを奏でているのを受けて、「無限に広がる大宇宙」のスキャットから始まるこの曲は真の意味でのスタートの曲。この「無限に広がる大宇宙」のスキャットを聞くと深く心が落ち着き、これから始まる「ヤマト」のストーリーに思いを馳せることとなる。そして、ここで奏でられているピアノの旋律が深く優しく響いていて、心に染み入る音となっている。

 前半の「無限に広がる大宇宙」を受けて後半の「アクエリアスのテーマ」へ。「ヤマトのテーマ」と「アクエリアスのテーマ」が一曲の中で結びついたことで、「完結編」の音の繋がりが完成している。”試練”と”慈悲”を表現している「アクエリアスのテーマ」は、弦楽器の美しい音色の響きによって曲の後半を盛り上げ、最後にもう一度「無限に広がる大宇宙」のスキャットに戻り「ヤマトのテーマ」を奏でて曲を終える。二つのメロディーの結びつきが素晴らしい曲。

 (3)大銀河系星雲の衝突

 ヤマトのテーマ、デスラーのテーマが組み込まれたドラマチックな曲で、アルバム中、唯一「完結編」のドラマのイメージを音楽で伝えている曲。他の曲はそれぞれアクエリアスのイメージであったり、ディンギル星のイメージであったりするのだが、この曲は「完結編」のドラマの「起」となる「大銀河系星雲の衝突」を音楽で表現しているイメージテーマとなっている。

 二つの銀河系が衝突・交叉するという天文学的な事故を描いている為に、シンセサイザーが多用されている。奏者は、「ヤマト」のシンセサイザーアルバムの演奏者である深町純氏。劇的なドラマを描く各セクションの音楽をシンセサイザーで繋いでいる。宇宙の壮大な音とドラマの繋ぎの役を果たしている。

 (4)大ディンギル帝国星

 アルバム「ファイナルへ向けての序曲」内唯一敵をイメージしたテーマ。作曲:宮川泰、編曲:宮川晶(現:彬良)という親子コンビにより作られた。リズムをメインとしたテーマで、統一されたリズムがベースとなって奏でられている。力強いリズムがディンギルの強さを物語っている。

 統一されたリズムの合間にディンギルの古い歴史をも思わせる重みのある旋律が奏でられ、知られざる地球とディンギルの過去についても演じられているようなそんな深さがある。圧倒的な強さと歴史。これらが感じられる。曲の終わりの長い打楽器の音が印象的。

 (5)水の惑星アクエリアスとクイーン・オブ・アクエリアス

 『完結編』は、映画の企画段階にリリースされたイメージアルバムから始まって、作曲に羽田健太郎氏が加わったり、複数のレコード会社から音楽集が発売されたりと、数多くの曲が存在していて、どの曲が印象に残っているのかというと少し迷ってしまうのが実情で、『3』で感じた”音楽で映像(ストーリー)をイメージする”という感動に最も近いのは『ファイナルへ向けての序曲』というアルバムだと思う。そしてこのアルバムの中で、この曲が映画の鍵であるアクエリアスを美しく表現していると感じる。

 水の惑星・アクエリアスは、『ヤマト』の中で登場した惑星の中で一番気に入っている星。水を湛たえて青く光る様が幻想的で、映画でヤマトが静かに着水するシーンでは、まるでヤマトを迎え入れているような心の広さがあった。真田さんの「滅び去った文明だな。人は住んでいない」と静かに語る台詞が印象に残っている。

 (6)ヤマト出撃

 「新たなる旅立ち」から始まった複数のテーマの絡み合いのシンフォニー。今回は、「アクエリアス」と「ディンギル」と「ヤマト」のテーマが効果的に絡み合い、互いのテーマのしのぎ合いによって生まれる緊張感に自然と作品への期待が高まる。

 このテーマの絡み合いは「映像の音化」という感じで、作品に於けるヤマトの立場とか戦いの重さといったものがイメージとして伝わって来る素晴らしい試み。殊に今回は「ファイナルへ向けての序曲」というアルバムに収録となっているので、いやが上にも作品への期待感が膨らむ最適のイメージ曲となっている。

 3つのテーマが絡み合って盛り上がりを見せて一旦締めくくられ、一拍の間を置いて始まるラストのヤマトのテーマが秀逸。この出だしには最高の重みが感じられ、鳥肌が立つ。

 (7)宇宙戦艦ヤマト メモリアル

 「無限に広がる大宇宙」のスキャットから始まるメドレー。ナレーション入りでは、冒頭部に西崎義展プロデューサーの声でヤマトの戦いを年表式で振り返るナレーションが入り、「ヤマト・メモリアル」という台詞の後に「永遠に」〜「1」へと遡っている。そして、1945年第二次世界大戦で沈んだ大和をイメージする音楽が流れ、男性コーラスの中「時は遡り…」と再び西崎プロデューサーのナレーションが入り、「君に真の眠りが訪れのはいつの日か…ヤマト…」と締めくくられている。この締めの音楽は、第二次世界大戦で最後の出撃を果たした大和と、「完結編」で最後の出撃を果たす二つの「ヤマト(大和)」の姿が重なる素晴らしい音楽。

 作品の垣根を越えたメドレーはぜひ聞きたいと願っていたのでこの「メモリアル」は降って湧いた喜びだった。当時繰り返し聞いては、この「メモリアル」を聞く度にこれで「ヤマト」は完結なのだという重みを感じ取った。しかし、そんな重みを感じる素晴らしいメドレーとはいえ、「3」の存在がないのがやはり寂しい。その点の設定の詰めの甘さを感じつつ、初めてのヤマトの音楽のメドレーとして何度も聞いて浸った曲。

 (8)宇宙戦艦ヤマト〜序曲・誕生〜/ボーナストラック「アニメピアノ組曲・宇宙戦艦ヤマト」より

 アルバム『アニメピアノ組曲・宇宙戦艦ヤマト/機動戦士ガンダム』から。ピアノ編曲は、『銀河鉄道999』の作曲を手がけた青木望氏。

 文字通りピアノのみの演奏なのだが、音の強弱とアレンジが巧みに施されているので、物足りなさは感じない。「〜序曲・誕生〜」という流れに沿って、冒頭はゆっくりと静かに入り、中盤にメロディーを聞かせ、終盤に向けて盛り上がっている。「ヤマト」を印象付かせるメロディーが順にきっちりと入っている丁寧なアレンジ。

 (9)試練・出発・決戦

 「交響組曲 宇宙戦艦ヤマト」より”動”を表す3曲の構成。元のメロディーをしっかりと弾いているので分かりやすい演奏となっている。ピアノ演奏のみなので、音の物足りなさ感があるかも知れないが、余計なアレンジがない分、かえってシンプルで良いと思う。

 (10)真っ赤なスカーフ〜追憶・回想・イスカンダル〜

 前曲の”動”の構成から”静”の構成へ。「ヤマト」が作中で描いている悲哀の部分、美しさの部分といったものを表現している。

 終盤の「イスカンダル」は、ピアノの演奏にぴったりの美しさ。全体的に前曲よりもピアノにふさわしい構成になっていると思う。

 (11)想人〜大いなる愛・スターシャ・白色彗星・想人〜

 「大いなる愛」が起。「スターシャ」が承。「白色彗星」が転。そして、「想人」が結という構成の楽章。

 「大いなる愛」で始まる出だしは、やはり「ヤマト」の愛を奏でる名曲として惹き付けられるし、その後を引き継ぐ「スターシャ」は、爽やかな美しいメロディーで心が和む。そして、「白色彗星」の緊張感のあるメロディーで場を引き締め、憂いのある「想人」で締め。分かりやすい構成が、それぞれの曲の持つイメージをはっきりと役立てている良い楽章だと思う。

 (12)大いなる愛〜デスラー孤独・好敵手・ヤマトより愛をこめて・大いなる愛〜

 「デスラー 孤独」〜「デスラー 好敵手」〜「ヤマトより愛をこめて」〜「大いなる愛」という構成。

 「さらば」の泣かせのツボを押さえている選曲となっているので、この4曲を聞くだけで感動のシーンが思い出され、ジ〜ンとする。意識的なアレンジもなく、シンプルな演奏となっているので、ピアノの音色とメロディーの良さがよく表れていて、じっくりと聞くことができる。
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