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《 宇宙戦艦ヤマト完結編 音楽集 PART2 》

 (1)二つの銀河

 「完結編」は、この曲からスタートする。物語は、銀河系の中心部に突如異次元断層から現れた別の銀河が衝突するという宇宙規模の不測の事態から始まっていて、この曲はその衝突する二つの銀河を音楽で表している。整然とした層の厚い弦楽器が必然的に緊張感を高まらせている。

 荒々しいようでいてその実まとまりのあるところが物語の「起」となるに相応しい名曲。スペクタクルさと人知を超えた宇宙の神秘さが掛け合っていて、ややもすれば作品の描く宇宙よりも遥かに壮大な宇宙を連想する素晴らしい曲だと思う。音楽によって作品の厚みが決まるそんな決定力を持っている鍵となる曲。

 (2)水没するディンギル星

 二つの銀河の交叉により突如現れた水の惑星アクエリアスによって水没を余儀なくされたディンギル星の水没シーンのテーマ。作曲は、羽田健太郎氏。

 地球では考えられない規模の洪水の映像は、ヤマト乗組員たちを驚かせた。この曲は、水没の恐ろしさをドラマチックに描いており、大量の水の圧倒感を音の緊張感によって伝えている。この曲は、ディンギル星の水没シーンの他にも冒頭の銀河系中心部に向かうヤマトのシーンでも流れた。

 (3)移動要塞

 スパニッシュのメロディーがディンギル星人の人となりを表している、ディンギル星人の内面を描いている曲。攻撃的なディンギル星人らしい早いリズムの曲となっている。作・編曲は、宮川泰氏。

 こういった敵方の内面にまで踏み込んだ細かいところにまで曲作りがなされているので、「完結編」は本当に曲数が多い。それだけ音楽と映像の関連性に力を入れていることが分かるのだが、このタイトルでは分かりづらいかも知れない。「移動要塞」というタイトルでは、全体像を表している曲のように思える。さしずめ「ディンギル星人」の方が単刀直入で分かりやすかったかも。

 (4)ハイパー放射ミサイル

 ハイパー放射ミサイルとは、ディンギル星の武器のことで、艦の装甲を破って突き進み、艦内に放射性物質をまき散らす恐ろしい武器。ヤマトは初めて対戦した時にこのミサイルを受けて、多くの死傷者を出し、第一艦橋クルーも仮死状態となった。冥王星海戦では防御策がないまま再戦となり、多くの味方艦を失った。この曲は、そんな武器の恐ろしさを表現している。作曲は、羽田健太郎氏。

 速いテンポの曲で、心理的な焦りをも感じる曲。得体の知れない敵の武器という恐怖感が伝わってきて、気が逸る。ディンギル星の誇らしささえ感じられる武器で、この曲に乗って発射されたミサイルは異様な威圧感があった。

 (5)大魔神

 ディンギル帝国の守護神像のテーマ。アクエリアスをワープさせている真のコントロール施設、神殿に鎮座している巨大な魔神像で、黒く堂々と空間を見つめている姿が印象的。暗く妖しい守護神のイメージを重みのある演奏で奏でている。

 地球人の末裔であるディンギル帝国はどのような宗教であったのかは詳しいことは分からないが、神殿の存在とこの大魔神の存在は、歴史の古さを思わせた。強き者が生き残るというディンギルの掟に相応しい畏怖の念を感じる守護神像であった。

 (6)ファイナルヤマト

 泣きのメロディーを爪弾くギターとバイオリンの音色が悲しいヤマトの最期をイメージした曲。元は戦艦大和の鎮魂の曲として作られた曲で(アルバム『ファイナルへ向けての序曲』「宇宙戦艦ヤマト・メモリアル」に収録)、ここでは死を覚悟した沖田艦長と共にアクエリアスへと赴くヤマトの最期の姿をイメージしたアレンジが施されている。作・編曲は、宮川泰氏。

 私的にこの曲を気に入っている。宮川泰氏らしいメロディーで、宮川泰氏らしいヤマトの最期の曲だと思う。一つのメロディーを楽器を変えて奏でることで、幾つもの悲しい表現が生まれている。「宇宙戦艦ヤマト・メモリアル」では、男性コーラスが葬送の雰囲気を醸し出していたが、ここでは最期に向かうヤマトを見送る悲しさが込められている。思わず涙腺が緩んでしまう曲。

 (7)悲しみ

 「完結編」全体に流れている「悲しみ」を表現している曲。美しく悲しいメロディをストリングスが情感込めて奏でている。作・編曲は、羽田健太郎氏。

 曲の解説を羽田氏自ら行っていて、「悲しみというか、つらさまではいかないんだけれども、やはり基本にあるのは、ロマンなのです。ロマンティックな悲しさというのを表現したテーマです」と綴っている。

 この曲は、羽田氏らしい旋律でまとまっている美しい曲だと思う。ロマンは、「ヤマト」が一貫して描いて来た世界なので、ロマンの中にたゆたう悲しみは、「完結編」が欲した音楽だと思う。ヤマトが沈むという最大の悲しみは、同時に戦いからの解放であるというロマン。そういうロマンティックな悲しみが、独特の主題旋律に乗って奏でられている。

 (8)超巨大戦艦ガルンボルスト

 ルガール大総統の長男、ルガール・ド・ザールが指揮官として搭乗していた艦のテーマ。地球制圧艦隊の旗艦。圧倒的な武力で押しまくる若者らしい勢いに満ちた曲。「大ディンギル帝国星」のテーマの速いリズム・アレンジ曲。

 正直に言うと「ガルンボルスト」という名前の印象が薄い。というのも、ルガール・ド・ザールの戦いで特に印象に残っているのはハイパー放射ミサイルなので、彼が乗っていた戦艦についてはあまり注意を払っていなかった。とはいえ、古代とユキがコスモゼロで敵本体を発見した時の映像は美しかった。

 (9)古代(おれ)とヤマト

 ささきいさおさんが歌っている「古代(おれ)とヤマト」のインストゥルメンタルバージョン。ストリングスとピアノとギターが情感豊かにしっとりと奏でている。作・編曲は、宮川泰氏。

 この曲は、艦長を辞任した古代がもう一度ヤマトに乗り組みたいという思いが込められている曲。歌のない独立した曲としても古代の心情が伝わってくる温もりのある曲となっている。

 (10)薄幸のディンギル少年

 バイオリンの音色が寂しく響く、ディンギル少年の幸薄さを表現した曲。少年のあどけなさと悲しさを併せて表現していて切なくなる。作曲は、羽田健太郎氏。

 ディンギルの少年は、ヤマトで過ごすうちに地球の文化に触れ、その為に命を落とした。まだあどけない少年が命の恩人である古代進を庇おうとして、銃を向けている父親と古代の間に飛び出したのは、本当に真っ直ぐな勇気のある行動だった。「地球ではほめられることしたんだろう?…ぼく…」の最期の台詞は、胸に痛かった。

 (11)二人のコスモゼロ

 負傷した古代を気遣ってユキがコスモゼロに乗り込み、二人で力を合わせて戦うコスモゼロのテーマ。作曲は、宮川泰氏。

 若い恋人同士を表現するかのように速いテンポの曲となっており、二人乗りのコスモゼロが宇宙空間を駆け抜けるさわやかな曲。ストリングスとベースの掛け合いが印象的で、特にベースのソロパートは、速く甘く響く。

 (12)アクエリアス レクイエム

 この曲は、作・編曲とも羽田健太郎氏によるものですが、死者の霊魂に捧げる曲として、地球を救う為に命を張ってヤマトを爆発させた沖田十三艦長に捧げる曲として作られた曲。ヤマトの作品の中で唯一、鎮魂曲と銘打っている曲で、アクエリアスのテーマの中からレクイエム用として構成したもの。アクエリアスのテーマのメインの音色であるピアノは使われておらず、ボコーダーが使用され、静かにゆっくりとした落ち着きのある、まさにレクイエムと呼ぶに相応しい荘厳な仕上がり。

 今日は告別式で、きっとしめやかな心に残る式が営まれたことと思います。「ヤマト」には、命を賭けた戦士の為の曲が幾つかあり、宮川先生が亡くなられてから「英雄の丘」やデスラーの曲やアルフォン少尉の曲、島の曲などが私の中で響きました。そして今日、この曲が私の中で響き渡り、今静かな気持ちで一日を過しています。──遠い空の下より宮川先生のご冥福を心よりお祈り致しております。

 (13)SYMPHONY OF THE AQUARIUS

 9分45秒という壮大な曲。作曲は羽田健太郎氏。映画では、ヤマトに単身残った沖田艦長がアクエリアスから地球に伸びる水柱を断ち切るシーンで流れ、ヤマトが自爆すると分かっている悲壮感と曲のスペクタクルさが相俟ってシリーズ中最高に重みのあるシーンとなった。

 ピアノコンチェルトという手法が用いられたことで、クラシックに近い曲となっているが、これは「完結編」の音楽の傾向を見ると自然の成り行きで、中でも9分45秒に及ぶこの曲は「完結編」の音楽の集大成と言える曲だと思う。地球とアクエリアスの中間で息絶えるヤマトへの思いの丈を込めたシンフォニー。ヤマトの映像と音楽の醍醐味をたっぷりと味わうことが出来る曲。

 ボーナストラック(14)ディンギル少年のテーマ

 解説書に未公開曲と書いてあるギター、バイオリン、ピアノによるディンギル少年のテーマ。速めのテンポが少年の軽やかさを表現しており、優しげなメロディーが優しさを表している。どことなく憂いを帯びつつ少年のあどけなさが表現されている優しい曲。

 ボーナストラック(15)沖田と古代(父と子)

 「沖田と古代」のテーマをバイオリン、ピアノ、ギターの順にソロ演奏している曲。未公開曲。

 ソロ演奏のみだと曲の雰囲気に柔らかみを増す。ピンポイントに沖田艦長と古代の血の繋がり以上の信頼関係を表現しているが、その点のみに絞られているように聞こえるので、二人の他に何も見えないような感じになっている。それがソロの効果かと。

 ボーナストラック(16)悲愴のボレロ

 「BGM集」と「ETERNAL EDITION File No.8」は同じ。「Best Collection」に収録のものは、冒頭に約20秒ほどイントロダクションとなる微かな「タッタカ、タッタカ」というシンバルの音が入っている。

  冥王星海戦でディンギルの艦隊が補給の為に引き上げた際、戦場に束の間の休息が訪れた。その間を利用し、負傷兵の救助を行っている時、非情にもディンギルの別働隊が現れ、攻撃を開始した。再び多くの命が奪われたシーンを表現している曲。作曲は、羽田健太郎氏。

 曲自体には、それほど深刻な悲壮感が漂っているようには感じられないが、映像と併せて聞いた時に、ドラマを盛り上げるインパクトさがある。歯切れの良いリズムと華麗なハープの音が生きている。
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