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《 交響組曲「新 宇宙戦艦ヤマト」GREAT YAMATO 》

 (1)第一楽章 序曲・西暦3199年:序曲〜元祖ヤマトのテーマ

 「交響組曲 宇宙戦艦ヤマト」から「序曲」と、「宇宙戦艦ヤマト」のメインテーマの2曲で構成されている曲。

 少し重みのあるピアノのイントロから始まって、あの透き通るお馴染みのスキャットがストリングスと共に広がる。そして、間を繋ぐ演奏が響き渡り、もう一度スキャットがお目見えして、満を持して「宇宙戦艦ヤマト」のメインテーマへと繋がっている。この2曲のみで「ヤマト」の格好良いところを全て表現していると言えるほど素晴らしい構成。

 特にスキャットからほんの数瞬拍置いて始まる「ヤマト」のメインテーマが勇ましい。

 (2)第二楽章 暗黒女王ダークイーン:移動性ブラックホールの驚異〜メタノイド〜ダークイーン

 「移動性ブラックホールの驚異」。ピアノの音が恐怖感を募らせる、移動性ブラックホールのテーマ。地球に向かって移動する巨大なブラックホールの脅威を音で描いている。終始低音がベースとなって奏でられているので、怖さは十分。怪しい感じ不気味な感じというのがよく出ている。
 ブラックホールは「3」でもボラーの武器として登場したが、あれは効果にタイムリミットがあった。今度のブラックホールは移動性。これにグレート・ヤマトがどう立ち向かうのか、その攻略に興味を引かれるところ。
 「新ヤマト」の曲はこれで以上。いつの日か、彬良氏作の新曲が生まれることを切に願って───。

 「メタノイド」。曲数の少ない『新』のカテゴリを作ろうかどうしようか迷いつつ、この曲を。この曲は、宮川泰氏の子息、宮川彬良氏による作・編曲。第二楽章の2番目に入っている。
 圧倒的な力で襲い来る敵の無気味な凄さが表れている。残念ながら『新』の映像は未だにお目にかかれないが、ぜひこの曲を背景に登場するメタノイド艦隊を見てみたい。

 「ダークイーン」。アルトフルートの音色が怪しい暗黒女王ダークィーンのテーマ。曲の後半には落ち着きのあるスキャットが入り、徐々に盛り上がりを見せる。
 暗黒女王ダークィーンがどれほどの恐ろしさを持っているのかというのは、物語がはっきりしないことには全体像が掴みにくいのだけれど、生命の炎をワインのように飲み干す姿はやはり禍々しい。ただならぬ不気味さを持っていることは確か。その雰囲気がよく表れている。

 (3)第三楽章 伝説の戦艦ヤマト(一) 大宇宙戦記:誕生〜夕陽に眠るヤマト〜回想〜都市帝国〜暗黒星団帝国〜自動惑星ゴルバ〜大ディンギル帝国星

 「誕生」「夕陽に眠るヤマト」「回想」「都市帝国」「自動惑星ゴルバ」「大ディンギル帝国星」の6曲で構成されている。

 この第三楽章でようやくこのアルバムの醍醐味といったものを感じることができる。作品の垣根を超えたトータルバランスの良い編曲がなされているので、「回想」から「都市帝国」へ飛んでも音の違和感がなく、それがこのアルバムの為に新録音された良さであり、醍醐味。

 重々しい響きの「誕生」から、勇ましいブラスの「夕陽に眠るヤマト」へ。そしてバイオリンの響きが懐かしさを感じさせる「回想」へと続き、ヤマトに脅威をもたらした「都市帝国」「自動惑星ゴルバ」「大ディンギル帝国星」へと続く。特に「大ディンギル帝国星」は、アルバム「ファイナルへ向けての序曲」とは違った演奏となっているので、新たな印象となっている。

 (4)第四楽章 伝説のヤマト(二)威風堂々:アンドロメダ〜新コスモタイガー〜二人のコスモゼロ〜第18機甲師団〜太陽のシンフォニー〜ファイナルヤマト・斗い

 第三楽章に引き続き、6曲構成による楽章。「アンドロメダ」「新コスモタイガー」「二人のコスモゼロ」「第18機甲師団」「太陽のシンフォニー」「ファイナルヤマト・斗い」

 第三楽章は重みのある構成だったが、第四楽章では、「ヤマト」の音楽のもう一つの顔である軽快なリズムとメロディーを中心とした曲が多く収録されている。「アンドロメダ」は、艦体自体にも人気があるが、曲も颯爽としたリズムで好印象。この曲を皮切りに、明るい曲で構成されている。

 この第四楽章の良さは、この手の爽やかな曲をまとめて聞きたいと思う曲が見事に繋いであるところ。特に「新コスモタイガー」と「二人のコスモゼロ」のメドレーは、このアルバムでなければ実現しなかった。「新コスモタイガー」は『新たなる〜』で生まれた曲だし、「二人のコスモゼロ」は『完結編』で生まれた曲。『完結編』では、コスモタイガーの新曲が作られたので「新コスモタイガー」と「二人のコスモゼロ」が同時収録となるのは、このアルバムがなければ実現しなかった。そういった作品の垣根を取り払った醍醐味というのがこのアルバムには随所にある。

 そして、何気なく『III』から「第18機甲師団」と「太陽のシンフォニー」が収録となっているのも宮川親子ファンには嬉しい限りだし、最後の「ファイナルヤマト・斗い」では、「ヤマト」の音楽らしく重みを与えて締め括られている。

 (5)第五楽章 羽黒妖

 『新』でのストーリーの鍵を握っていると思われる、羽黒妖という女性キャラクターの曲。作・編曲は宮川泰氏。

 川島和子のスキャットが妖しく美しく響き、羽黒妖の美しさをも表現しているが、全体的なミステリアスな雰囲気はどの音色も終始変わらない。どんな役割を持ってどのような女性であるのかという羽黒妖の謎の部分がフィーチャーされている。この曲がどういう性格付けになるのかというのは、『新』の今後のストーリー如何にかかっているという未知数に満ちていて、そういった意味では心理的に落ち着かない曲。

 (6)第六楽章 追想:イスカンダル〜デスラー・孤独〜暗黒星団帝国〜別離〜神秘の星アクエリアス

 「ヤマト」に登場した地球以外の惑星に関する曲をまとめた楽章。「イスカンダル」「デスラー 孤独」「暗黒星団帝国」「別離(わかれ) -愛(いと)しきものよ -」「神秘の星アクエリアス」。

 作品ごとに登場する惑星の性格がそれぞれ異なるので、なかなかまとめにくいラインナップだと思うが、それぞれのテーマの印象的なフレーズをクロスさせずに1つずつ丁寧に聴かせているので、思ったよりも自然に流れるようにまとまっている。特に「暗黒星団帝国」「別離」「神秘の星アクエリアス」の構成はこの楽章の要。

 (7)第七楽章 グレートヤマト発進:新銀河誕生〜出発〜明日への希望

 グレートヤマトが未知なる未来へ向かって運命背負って飛び立つ希望を表現した楽章。「新銀河誕生」「出発」「明日への希望」の3曲構成。

 「新銀河誕生」の明るい未来を感じる壮大なコーラスに始まって、優しい希望に満ちたメロディーが続き、沸々とした新たな思いが生まれる「誕生」、そしてくじけない思いで明日を見つめる「明日への希望」の高らかなコーラスで幕を閉じる、希望が惜しみなく詰まっている感動の楽章。

 こういった明るく大らかで高らかな曲たちは、宮川泰氏らしい一面が思い切って表れているポジティブな力強さを感じる。だからこそ音楽を聞くだけで「ヤマト」の感動を味わえる。この楽章を聞く度、私は、涙腺が緩むほどの感動を覚える。

 (8)最終章 大いなる愛〜真赤なスカーフ(A Romantic Chamber Version)

 宮川泰氏によるピアノと子息・彬良さんの奥様・由利子さんのバイオリン・ソロによる「大いなる愛」と「真っ赤なスカーフ」のメドレー。レコーディングには、3人のお孫さんもいらっしゃっていたとのこと。

 この最終章に関しては、言うべき言葉が見つからない。宮川泰氏ご自身によるピアノ演奏というだけで感慨深いものが込み上げ、ただただ酔いしれるだけ。音が優しく包容力を感じるのは、宮川泰氏の年齢によるものなのか、ご家族に囲まれてリラックスした雰囲気でのレコーディングによるものなのか、はたまた長年携わって来た「ヤマト」の音楽への”情”なのか…それら全てが紡ぎだした音色なのだと私にはそう感じられ、心に深く染み入る。
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