Home >> 主題歌・挿入歌 インデックス > ヤマト・ザ・ベスト II

《 ヤマト・ザ・ベスト II 》

 アルバムレビュー

 「ヤマト・ザ・ベスト」を補完するような内容となっているアルバム。「ヤマト・ザ・ベスト」は、劇中で使用された歌で構成された一般的なベスト盤であったが、「2」は、「宇宙戦艦ヤマト」と「真っ赤なスカーフ」のロイヤル・ナイツ版が収録されていたり、英語版の「SPACE CRUISER YAMATO」(宇宙戦艦ヤマト)、「THE RED SCARF」(真っ赤なスカーフ)が入っていたり、デスラーのことを歌った「好敵手」や、ささきいさおさんの歌う「ヤマトより愛をこめて」や、堀江美都子さんの歌う「銀河伝説」などなどが入っているやや踏み込んだファン向けのベスト盤となっている。

 収録曲の中で私的に嬉しかったのは、「好敵手」と「ヤマトの賦ー海神ー」と「ヤマト10年の賦」の3曲の存在。「好敵手」は、デスラーのことを歌った男気のある歌で「ヤマト・ザ・ベスト」に入っていないのが惜しいほどの歌。そして「ヤマトの賦ー海神ー」と「ヤマト10年の賦」は、劇中での使用はなかったが『完結編』の時に作られた歌ということでぜひきちんとした形で手元に欲しかった2曲。「ヤマトの賦ー海神ー」については、『完結編』の頃に何らかの形で聞いたことがあるような気がするのだが、朧げな記憶でしかなく、本当に聞いたのかどうかも怪しいので、この2曲に関してはなんとしても手元に欲しかった。今回ラインナップに加えられ、本当に嬉しく思っている。

 そして、意外なインパクトだったのが、英語版の「SPACE CRUISER YAMATO」と「THE RED SCARF」。この2曲は、以前にも聞いたことがなく今回初めて聞いたのだが、色んな意味で楽しめた。英語詞についてはよく分からないが、歌に関しては流石ささきいさおさんだ!と率直に感動した。和製プレスリーと呼ばれたささきいさおさんの英語の独特の歌いっぷりを感じることが出来る。この「宇宙戦艦ヤマト」の英語版は、ある意味ささきいさおさんにとって一つのチャンスだったのではないかと思う。ロカビリー歌手としてデビューしたささきいさおさんが歌う英語版「宇宙戦艦ヤマト」。その後のささきいさおさんの運命を決定づけた「宇宙戦艦ヤマト」を全英語詞で歌うことは、ある意味デビュー時の自分への回帰であるから、この試みは、ささきいさおさん的に意味のあることだったのではないかなと思う。”歌手・ささきいいさお”の側面を感じることが出来る歌。

 (1)宇宙戦艦ヤマト(ささきいさお)

 先日のフジテレビの「アニソンランキング2006」を見ていて、『宇宙戦艦ヤマト』の主題歌が第1位を取り、ささきいさおさんが艦長のコスプレをして歌っているのを見て、ゾクゾクというかワクワクした。

 やはり私は『ヤマト』の音楽が大好きで、『宇宙戦艦ヤマト』のイントロ部を聞くと、子供の頃に『ヤマト』の音楽を夢中になって追いかていけたワクワク感が沸々と蘇って来る。やはり『ヤマト』の音楽は、私の音楽ライフの原点なのだと痛切に思う。

 年代を経ても『宇宙戦艦ヤマト』の主題歌は今なお多くの人に愛されている。素晴らしい楽曲だと私も思う。これからも世代を超えて愛される歌であって欲しい。

 宇宙戦艦ヤマト ささきいさお 歌詞情報 - goo 音楽

 (2)真赤なスカーフ(ささきいさお)

 子供の頃、エンディングを見る度に(アニソンらしくない歌だな…歌謡曲っぽいな…)と思っていたが、年齢が30代の後半になって、ようやくこの歌のしんみりさが分かるようになって来た。

 帰れないかも知れない旅に出る男の人の心中が言葉少なく綴られているんだな…と、歌を思い出す度にしんみりと感じる。こういう風に感じることが出来るようになったのは、私がそれなりに人生の出会いと別れを経験して来たからだろう。

 真赤なスカーフ ささきいさお・ロイヤル・ナイツ 歌詞情報 - goo 音楽

 (3)Space Cruiser Yamato(ささきいさお)

 作詞:DONALD P.BERGER/作詞:阿久悠/作・編曲:宮川泰/歌:ささきいさお

 この曲は…正直に言うと…歌い始めにずっこける(笑)。というのも、演奏が通常の「宇宙戦艦ヤマト」と同じなので、いつもの調子で聞いていると、いきなり英語が始まって思わずずるっと来る。歌の出だしはどうしてもあのオープニングなのにいきなり地球とおさらばしてしまう「さらば〜地球よ〜」の歌詞が耳にこびりついているので、頭の中で「さらば〜」とささきいさおさんが歌っているのに聞こえて来るのは「It is time to go〜」という英語で、なんでやねん!とツッコミたくなる歌となっている。

 それでもこの歌は聞き続けていると結構ハマってくる。和製プレスリーとしてデビューしたささきいさおさんの弾むような独特の英語の歌唱が耳に馴染み、また聞きたくなる歌になっている。気に入っているのは、「Iscander」の発音と「YAMATO」の部分。「Iscander」は伸びがあってキレイ。そして「YAMATO」はきちんと「ヤマト」になっている。他に発音のしようのない名前なのでそうとしか発音できないのだが「ヤマト」は「ヤマト」。ここはやはり英語詞になっても変わらない。それが嬉しい。

 (4)The Red Scarf(ささきいさお)

 訳詞:DONALD P.BERGER/作詞:阿久悠/作・編曲:宮川泰/歌:ささきいさお

 「真赤なスカーフ」の英語版。「Space Cruiser Yamato」に比べ、英語詞でも違和感が少ない。それは、「Space Cruiser Yamato」でささきさんの歌う英語詞に慣れたからなのか、元の歌詞が良いからなのか、それともすんなりと耳に入ってくるメロディーの良さが言語の壁を取り払っているからなのか。おそらくそれら全部だと思う。

 気に入っているのは、1番の「Romance is yours」の伸びと「La la la la la la la la la la la la」の響き。「La la la la la la〜」は、まさに「La la la la la la〜」。「ララララララ〜」というカタカナの響きではない。

 (5)星に想うスターシャ(ささきいさお)

 作詞:阿久悠/作・編曲:宮川泰/歌:ささきいさお

 最初のバイオリンはドラマ性のある重みのある出だし。そこへトランペットの音色が加わると一気に歌謡曲っぽくなり、「イスカンダルの〜」とささきいさおさんのヴォーカルが始まると一際演歌っぽい雰囲気となる。愛しい悲しい一人の女性への思いを綴っているので、殊更そういう雰囲気の曲になるのだろう。

 この歌を最初に聞いたのは「ソングコレクション」というアルバムで、その頃まだ全作品を把握していなかった子供の私は、この歌も作品の中で流れた歌だろうと思っていた。ところがそんなことはなく、歌自体が何とも中途半端な位置の存在で、「1」なのか「新たなる〜」なのか正直掴みかねるところが。作品では流れていない歌なので別に良いことなのだろうけど「もしも許されるものならば この手で抱きしめて連れて来たかった」という歌詞が若干気になってしまい、「1」ならば誰が抱きしめるんだ…とちょっと考えてしまう歌。

 (6)好敵手(ささきいさお)

 作詞:阿久悠/作・編曲:宮川泰/歌:ささきいさお

 「さらば 音楽集」に収録の「デスラー 好敵手」に歌詞が付いたもの。この歌は、A面としてシングル発売されたにも拘らず、エンディング等での使用がなかった為か主題歌としての立場の印象が弱く、B面の「テレサよ永遠に」の方が広く知れ渡っているような存在の曲。しかし、歌自体の主張がはっきりしている為に一度聞いたら忘れられない歌ともなっている。

 この曲にはもう作り手のロマンを一身に感じる歌で、子供の頃に初めて聞いた時には、どうして古代とデスラーがライバルなんだ…と合点が行かなかったのだが、大人になってからしみじみと聞いて歌詞に込められた作り手の思いを感じるようになってからなるほどな…と納得出来るようになった。この場合、作り手というのは歌の作り手のことではなくて、「ヤマト」の作品を作っている作り手のこと。すなわち、男のロマンを一身に感じる歌…ということ。

 (7)ヤマトより愛をこめて(ささきいさお)

 作詞:阿久悠 作曲:大野克夫 編曲:宮川泰 ヴォーカル:沢田研二

 この歌を聞くと、やはり目頭が熱くなる。この歌が流れた「さらば」のラストが瞼の裏にまざまざと重しのように蘇るからだが、それを抜きにしても心のこもった歌詞と歌手の情感が一体となって胸に迫って来て切なくなる。作品と切り離して聞いても泣かせる良い歌だと思う。

 私はこの歌を初めてきちんと聞いたのは、「ソング・コレクション」のアルバムでだった。ささきいさお氏の歌う「ヤマトより愛をこめて」を聞いた後に「さらば」をきちんと見、そしてそのラストシーンで沢田研二氏の歌う「ヤマトより愛をこめて」を聞いて涙が止まらなくなった。初めて聞いたというインパクトさではささきいさお氏のヴォーカルは忘れられないが、作品と絡めたインパクトさでは沢田研二氏のヴォーカルが強く印象に残っている。この歌の良さは、誰が歌っても変わらないと思う。この歌の編曲は、先日亡くなられた宮川泰氏。ヤマトより愛をこめてこの歌を──。

 ヤマトより愛をこめて ささきいさお 歌詞情報 - goo 音楽

 (8)愛の生命(堀江美都子)

 作詞:山口洋子/作曲:浜田金吾/編曲:戸塚修/歌:岩崎宏美

 編曲にも宮川泰氏が携わっていない「ヤマト」の歌の中でも割と特別な存在の曲。しかし、歌詞も曲調もこれまでの「ヤマト」の歌の流れから掛け離れていないので、違和感はさほど感じられない。「ヤマト」の歌について理解して作られた曲だと思う。

 特徴なのは、女性作詞家が綴る女性視点の歌詞で、古代と離ればなれになったユキの切ない心情が伝わって来るところ。カタパルトでコスモゼロを磨く古代の目の前にユキの顔が思い浮かぶシーンで流れた。ゆっくりと丁寧に歌う岩崎宏美さんの歌唱が歌に深みを与えている。

 愛の生命 歌詞情報 - goo 音楽

 (9)おもかげ星(堀江美都子)

 作詞:山口洋子/作・編曲:宮川泰/歌:堀江美都子

 「永遠に」の時に作られた歌で、シングル「星のペンダント」のB面。作曲は「愛の生命」の山口洋子さんで女性らしいやさしさに満ちた歌詞となっており、作・編曲は宮川泰氏…の為かメロディーが歌謡曲っぽい歌となっている。

 子供の頃に聞いた時は別段違和感は感じなかったのだが、今聞くと甘い歌に感じられる。女性視点の詞であるのでそのせいだと思うが、「愛」「夢」「泪」「恋」「KISS」「昨日(むかし)」「明日(みらい)」という言葉が甘さを増しているように思う。そして、出だしの「見つめて下さい」の堀江美都子さんの声がなんとも甘い…。少女アニメの可愛さが…。

 おもかげ星 堀江美都子 歌詞情報 - goo 音楽

 (10)愛よその日まで(ささきいさお)

 ヴォーカルは、布施明氏。映画「永遠に」の主題歌(挿入歌)で、作詞は阿久悠氏、作曲は布施明氏自ら、編曲は宮川泰氏という組み合わせ。

 映画ラストの地球へ帰途に就くヤマトの第一艦橋にいる古代と、地球でヤマト(古代)の帰りを待つユキが遥かに広がる雲の上で感動の再会をするというイメージ・シーンで流れた歌。高らかに歌い上げる布施明氏の力強い歌唱が、画面一杯に響き渡る感動的な曲。

 私は、このシーンが好きで、このシーンがあるから子供の頃には何度も「永遠に」を見ていた。そして、好きなシーンを素晴らしく演出しているこの歌も好きになった。歌詞に込められている「愛」のメッセージと、それを高らかに歌う布施明氏の歌唱に私の胸の内には悲しみとは別の晴れやかな言い様もない「愛」の思いに満たされ、次第に泣きたいほどの切なさが込み上げて来る。映像と歌がマッチした素晴らしい曲。

 愛よその日まで 歌詞情報 - goo 音楽

 (11)銀河伝説(堀江美都子)

 私が初めて買った『ヤマト』のアルバム(LP)は「ソング・コレクション」で、権利の関係でオリジナル歌手ではなくささきいさおさんや堀江美都子さんが歌ってるソングアルバムなのだが、この歌手が違うという件は、子供心に(何で?)と率直に疑問に思ったが、それも当時小学生の自分には大人の事情が分かろう筈もなく、何はともあれこのアルバムを繰り返し聞いては歌詞に『ヤマト』の世界を思い描いて聞き入っていた。

 中でも堀江美都子さんの歌う「銀河伝説」が大のお気に入りだった。『永遠に』の離ればなれになる古代とユキの寂しさが切々と伝わって来て、歌を聞く度に切なくなった。後になってオリジナル歌手である岩崎宏美さんの歌う「銀河伝説」の入ったアルバム「ヤマト・ザ・ベスト」を買ったが、やはりこの歌には心が切なくなる。岩崎宏美さんは歌唱力のある歌手として評価の高い歌手だが、やはり私がこの歌に求めているのは歌詞の描く世界で、歌い手が替わってもこの歌は私のお気に入りであるのは間違いないと再認識した次第。

 特に気に入っているのは2番の歌詞。全体的な語句の選び方も気に入っていて、作詞家・阿久悠さんのセンスに感動。

 銀河伝説 岩崎宏美 歌詞情報 - goo 音楽

 (12)ヤマトの賦-海神-(ささきいさお)

 作詞:阿久悠/作・編曲:宮川泰/歌:ささきいさお

 「古代(おれ)とヤマト」のB面…のままでは惜しい名曲。歌詞、曲、歌の三位一体が素晴らしく、心をこめて丁寧に歌い上げるささきいさおさんの歌声を聞いていると、涙腺が緩んでくるほどに素晴らしい。シリーズ最後の「完結編」の為の歌とはいえ、歌詞は作品の枠を超えた深い”愛情”に満ちており、作詞した阿久悠氏の懐の深さを感じることができる。曲は、「完結編」らしい壮大なスケールのクラシカル調となっているが、底辺に流れているのはやはり「ヤマト」のテーマで、それを歌うささきいさお氏の歌唱は丁寧で澱みがなく清々しい。これらすべてが一つの高いレベルの位置で結ばれているこの曲の完成度はもはや感動もの。アニメソングの域を超えた「ヤマト」の魂が歌われている。

 とにかくささきいさおさんの丁寧な歌唱が心を打つ。音に無理のない歌詞があってこそ心を込めた歌唱ができると思うのだが、歌詞とメロディーとそれを表現する歌唱が見事に合致しているこの曲は、じっくりと聞いていると本当に涙腺が緩む。この歌は、「ヤマト」の「1」の時点ではできる歌ではなくて、作品とともに10年という月日を共に経ているがゆえにできる歌。”人”の”思い”が形になっている素晴らしい仕上がり。歌詞は、できることならここに全文掲げたいくらいの素晴らしさ。

 (13)ヤマト10年の賦(ささきいさお)

 作詞:阿久悠/作・編曲:宮川泰/歌:ささきいさお

 「賦」とは、長い詩歌という意味で、この歌の歌詞は、なんと10番まである。ざっと説明するとイスカンダルへの長い航海の末に地球を救った詞に始まり、その後の航海と、古代とデスラーの友情と、古代とユキの愛を表現した詞…という具合になっている。

 通常のアニメソングのような歌ではなく、ミュージカル風なというか長い詩に節をつけて歌っているような歌で(途中ナレーションもあり)、歌の背後に劇なりアニメーションが見えるような歌となっている。それは、やはり歌詞が10年を振り返って順を追っているのと、その時間の中心軸となっているのが古代とユキの愛の経過なので、歌を晴れやかに結ぶ為に最後の歌詞は、ヤマトに対し「ウェディング・ベルでも聴かせよう」という締めくくりになっている。それはやはり「ヤマト」は単なる戦いを描いた作品ではなく「愛」を描いた作品であり、作品はこれで「完結」なのだということを示している。

 歌詞が具体的に10年を描いているのと同様に、音楽もこの一曲の中に”宮川泰らしさ”というものが様々な角度から込められている。この歌を聞くとヤマト音楽に於ける宮川泰氏の特徴が感じられるが、この歌の存在自体が大仰過ぎる部分もあるので、「完結」にあたり万感の思いを込めて作った歌ぐらいの気持ちで捉えるのが丁度良いと思う。
▽ CD ▽
▽楽天ブックスの紹介ページ